院長からの処方箋Letter

花粉症

2023.03.30

今年は花粉の量が多い、という予報がよく聞かれます。
実際に、花粉の症状がいつもよりひどくなって受診される方多くなっています。
昨年は10年間で一番花粉量が少なかったのに対して、今年は例年の倍以上となっており、その差が激しいからだと思います。

 

当院は内科ですが、内服薬のほかにも点鼻薬や点眼薬も必要に応じて処方しております。

以下薬の選択方法をざっと紹介してみましょう。

 

内服薬は一日1回のみ飲むものと、一日2回飲むものがあります。24時間持続的に症状が出る方は一日2回飲む方が多いようです。
しかし、最近では一日1回でも強い効果があり、かつ眠くなりにくい薬がでてきました。何種類か試して、自分に合うものを見つけると良いと思います。

また通常の抗ヒスタミン剤は緑内障や前立腺肥大症の方の中には使用できない場合もありますので、抗ロイトコリエン剤や抗トロンボキサン剤、漢方薬などを選択することになります。
1種類の内服薬にて効果不十分であれば、何種類かの内服薬を使用することも可能ですが、症状に応じて組み合わせを考えます。
なおステロイド薬が最も強い効果があるのですが、長期内服による副作用があり得ますので、短期間での屯用をお勧めしています。

 

点眼剤は症状に応じて選択しますが、目のかゆみ、涙目、充血、目やにのため目が開かないなどと重症化することがあります。
通常であれば抗ヒスタミン剤を使いますが、シュワッとしみるタイプとしみないタイプがあります。薬としての効果は同じなのですが、しみることで涙が出てくるために薬が流れ出るようでは効果が少なくなります。
充血や目やになど重症化する場合には、ステロイドの入った点眼薬もあります。やはり長期使用には副作用があるため、3,4日の短期間での使用をお勧めしています。

 

点鼻薬も症状により薬を選択しますが、鼻水、かゆみ、鼻づまりなどが主な症状です。
通常はやはり抗ヒスタミン剤を使用しますが、鼻づまりには血管収縮剤でむくみを取る方法も有効です。

また全ての症状が持続する場合には、ステロイドの入っている点鼻薬が有効です。点鼻薬に入っているステロイドは粘膜にのみ吸収されるため、長期使用でも副作用がほとんどありません。さらに持続的に効果があるため、一日1回のみの使用で済むため、持ち運びする必要がありません。最近ではステロイドの入った点鼻薬が主流となっています。特に気管支喘息の方は、ステロイドが鼻腔から気道へと拡散するため、咳症状の軽快も期待できます。

 

以上、花粉症の薬と言っても、人それぞれの症状に応じて組み合わせて選択することが大切です。
また、実際の使用感を教えていただくことで、さらに効果的な処方へと変更することも可能となります。
今年初めて花粉デビューという方もいらっしゃると思いますが、一度症状を確認の上、相談にいらしてください。