院長からの処方箋Letter

暑さ対策を始めましょう

2022.05.28

最近気温が上昇し、日中はかなり暑くなってきました。健康維持には何に注意すべきでしょうか。

まず気を付けたいのは脱水です。
不感蒸泄といって、汗が出ていない状況でも、皮膚の表面からは一日700mlの水が蒸発しています。

さらに汗が出れば、体からもっと多くの水が失われてしまいます。

汗が出始めると同時に脱水が始まりますので、汗が出る前に水分を補給するのが基本です。

朝起きたらまず水を飲みましょう。また、外出前にも飲水してから出かけると安心です。

次に熱中症対策も大切です。

体温を下げるのは、汗が蒸発するときに体の熱を奪っていくからです(気化熱と言います)。

ですので、常に汗が体表面ににじんでいるのが理想的です。

そのためには汗腺(毛穴と考えても良いです)が開いている状態でなければなりません。

エアコンやクーラーで体表面の温度を下げてしまうと、汗腺が閉じて汗が出なくなり、むしろ熱が体内にこもってしまい逆効果になります。

体表面の汗が気化する程度の弱い風を当てるのが良いのです。扇風機を首振りにしたり、団扇であおぐ程度で十分です。

実際に熱中症になった時も、体を直接冷やしてはいけません。汗の代わりに霧吹きなどで体表面を濡らして、風を当てて蒸発させると体内の熱を下げることができます。


基礎疾患を改善するには、夏の気温を利用するのが効果的です。

しかし、脱水や熱中症の予防を十分に行って、無理のない範囲で運動療法を行う必要があります。

自分なりの実行しやすい予防策を行うようにしてください。